業務案内

背景

近年、環境への負荷低減のため、天然資源の消費を抑制し、廃棄されるものを最小限にし、再生できるものは可能な限り再利用するという循環型社会が提唱されています。
この循環型社会への移行にともない、各リサイクル法が成果を上げる中で、一般家庭や事業所から排出される廃棄物は分別収集が進展し、全国の一般廃棄物の排出量は年々減少傾向にあります。しかしながら、ほとんどの地方自治体が可燃ごみとして収集している『使用済み紙おむつ』は、衛生的な観点からこれまで焼却処理されてきましたが、高齢社会にともない可燃ごみに占める割合は逆に増加傾向にあります。
現在、紙おむつは、乳幼児用、大人用あわせて年間240億枚、約90万トン*が生産されており、今後の超高齢社会の到来により、紙おむつの市場規模は拡大基調で推移するものと予想されます。その一方、排出量の増加による処理が懸念され、今後、使用済み紙おむつの処理関連市場が拡大するものと考えられます。

※経済産業省「製品年計表 平成29年」

使用済み紙おむつリサイクルの必要性

  1. 焼却にともなう費用および環境負荷の低減
    焼却処理されている使用済み紙おむつは、廃棄、収集から焼却に至る過程で、紙おむつに使用されている高分子吸収体がし尿以外の大量の水分を吸収してしまい、焼却に余計な燃料と炉への負担がともないます。
    一方で、使用済み紙おむつは保持していた水分が乾燥し一旦燃え始めると、その素材は高い発熱量を有しているため、焼却炉損傷の要因となります。
    これらは、処理費用、焼却炉建設費用の増加と環境負荷の上昇につながるものと予想され、次世代のために使用済み紙おむつの脱焼却が求められます。
    ※紙おむつは、製品重量のおよそ20~40倍もの水分を吸収しますが、弊社ではこのような物質を『スカマー』と呼んでいます。

  2. パルプ、プラスチックの再利用による省資源
    紙おむつに使用されているパルプおよびプラスチック(原料:石油)はほとんど輸入に頼っていますが、これまでリサイクルが確立されてなく紙おむつは焼却せざるを得なかったことから、温室効果ガスの排出削減、化石資源への依存度低減、海洋ごみ対策の課題に対応するため、紙おむつの素材ごとに資源循環が図られることが必要となります。

弊社のリサイクルシステムは?

  1. 処理に必要とする水を大量に使用しません。
    国交省【下水道への紙オムツ受け入れに関するガイドライン(案)】
    2-3 処理水量と排出負荷(抜粋)
    また、一連の分離工程で排出される排水の総量は、紙オムツ1枚当たり概ね11リットル以下とすることが望ましい。

    弊社リサイクルシステムでは、石灰を用いた特許技術により紙おむつ1枚当たり約1.0~1.2リットルと少ない水使用量になっています。
    したがって、1トンの使用済み紙おむつを処理する場合、約5.4トンの水でリサイクルが可能です。

  2. 安心して使用可能な製品です。(弊社の殺菌方法)
    クリーニング業法、厚生労働省通知「環境指導157」おしぼり・清拭タオルの衛生的処理に関する指導基準(大腸菌群、黄色ブドウ球菌が検出されないこと。一般細菌は、1平方センチメートルあたり10万個を超えないことが望ましい。)

    弊社リサイクルシステムでは、蒸気、温水および薬品により消毒、殺菌をおこなうことで指導基準を満たし、安全な製品を製造しています。

  3. 実績のあるシステムです。
    紙おむつ(事業系一般廃棄物)の広域的なリサイクル
    松戸市の理解のもと、周辺自治体から収集運搬の許可を受け、使用済み紙おむつに限定して病院・福祉施設から受入れ、広域的なリサイクルを実施しており、これまで約10年の実績があります。